診療コラム

COLUMN

20代・30代の血便が増えている?若い世代に多い「潰瘍性大腸炎」と「痔」の見分け方

「まだ20代(30代)なのに、便に血が混じった……」

そんなとき、多くの若年層の方は「痔かな?」と恥ずかしさを感じたり、逆に「まさか大腸がん?」と極度の不安に陥ったりと、一人で悩み抱え込んでしまいがちです。

確かに、20代・30代で大腸がんが見つかる確率は高齢世代に比べれば低いのは事実です。しかし、近年、20〜30歳代を中心とする若年層に増えている「潰瘍性大腸炎」などの炎症性腸疾患(IBD)を見逃してはいけません。また若年者の大腸がんも近年増えており、その背景因子などの解明のため活発な研究が行われています。これらの病気の可能性を考慮し、大腸内視鏡で異常が認められない場合、「痔」からの肛門出血の可能性が高くなります。

なぜ今、若い世代の「血便」が増えているのか?

血便を理由に消化器内科を訪れる若い患者さんが増えている背景には、いくつかの要因が考えられます。

食の欧米化

高タンパク・高脂質な食事や、加工食品の摂取が増えたことで、腸内細菌のバランスが崩れやすくなっています。

過度なストレス

就職、結婚、出産などライフイベントが多い世代。自律神経の乱れが腸の粘膜に影響を与えます。

潰瘍性大腸炎の増加

日本全体で患者数が増加しており、特に発症のピークは20代前後と言われています。

若い世代に多い「血便」の3大原因

若い世代で血便が出た場合、主に以下の3つを疑います。

肛門出血・痔(切れ痔・いぼ痔)

座りっぱなしのデスクワークや、ダイエットによる便秘が原因で起こります。排便時に鋭い痛みがある場合は「切れ痔」、痛みはないがポタポタ垂れる場合は「いぼ痔」の可能性が高いです。「トイレットペーパーに血が付着する」などのエピソードも肛門出血を示唆する病歴になります。

潰瘍性大腸炎

大腸の表面の粘膜に炎症が起き、潰瘍ができる病気です。安倍元首相が患っていたことで認知度が上がりましたが、実は誰にでも起こりうる身近な病気になりつつあります。直系の親族に家族歴を認める場合も多く認められます。

血便だけでなく、粘液(鼻水のようなもの)が混じったり、何度もトイレに行きたくなるのが特徴です。またこれらの症状が月単位で慢性的に継続し、良くなったり悪くなったりを繰り返します。

感染性腸炎

食中毒などが原因で、下痢とともに血が混じることがあります。これは急激な腹痛や発熱を伴うことが多いです。特に夏場で食物の保存状態が悪化する時期に多くなります。発症は急激で、多くの場合食事摂取歴で病原菌を推測し、便の培養検査で診断を確定します。治療は抗生物質を使用することもあります。

【セルフチェック】「痔」と「潰瘍性大腸炎」の見分け方

「ただの痔」だと思って市販薬で済ませている間に、炎症が悪化して入院が必要になるケースもあります。以下の表で自分の症状をチェックしてみましょう。

症状の項目

痔(切れ痔・いぼ痔)

潰瘍性大腸炎(疑い)

期間

単回または数回程度

月単位に継続

便の状態

普通の便に血が付着する

下痢や軟便が多い

血の色

鮮やかな赤色(鮮血)

赤〜どす黒い、または粘液が混じる

排便回数

いつも通り(1日1回程度)

1日に何度も(5回以上など)トイレへ

お腹の状態

痛みはない、または出口が痛い

腹痛やしぶり腹(出したいのに出ない)

全身症状

特になし

微熱、倦怠感、貧血がある

専門医の視点

血便が「1ヶ月以上続いている」「下痢を伴う」「粘液が混じる」「発熱がある」という場合は、痔ではなく腸の炎症を強く疑います。これらは市販の痔の薬では絶対に治りません。

20代・30代こそ「大腸カメラ」を受けるべき理由

「若いのに大腸カメラなんて……」と抵抗を感じるかもしれません。しかし、若いうちに一度検査を受けることには大きなメリットがあります。

正確な診断

潰瘍性大腸炎は早期に適切な治療(内服薬など)を始めれば、健康な人と変わらない生活を送ることができます。

大腸がんの芽を摘む

稀に若年性の大腸ポリープが見つかることもありますが、その場で切除すれば将来のがんリスクをほぼゼロにできます。

精神的な安心

「何でもなかった」と分かるだけで、日々のストレスから解放されます。

広島八丁堀内科・胃腸内視鏡クリニックでは、忙しい若年層の患者さんのために「土日検査」や「麻酔を使った苦痛の少ない検査」を実施しています。平日は仕事で忙しい方も、週末を利用してスマートに健康管理を行うことができます。

まとめ:一生付き合う「腸」だからこそ、今ケアを

20代・30代は、これからの人生が長い世代です。血便を「恥ずかしいもの」として隠すのではなく、自分の体が発している「大切なサイン」として受け止めてください。

広島市内には、若い世代の患者さんが通いやすい、プライバシーに配慮したおしゃれで清潔なクリニックも増えています。

「もしかして潰瘍性大腸炎かな?」と少しでも不安になったら、広島の専門医に相談してみてください。早期発見・早期治療こそが、あなたのこれからの豊かな生活を守る鍵となります。