
FUNDIC GLAND POLYP
胃底腺ポリープ
ABOUT
胃底腺ポリープとは
胃底腺ポリープは、胃の粘膜の深層部分である胃底腺から発生する良性のポリープです。通常、胃内視鏡検査で発見されることが多く、胃粘膜に小さな隆起を形成します。これらのポリープは一般的に無症状であり、多くは偶然に発見されるため、治療の必要がないことがほとんどです。
胃底腺ポリープは、胃粘膜の細胞の異常増殖によって発生しますが、悪性腫瘍にはならないと考えられています。そのため、基本的には良性の病変として扱われます。またピロリ菌の感染していない胃粘膜から発生することが多く、“綺麗な胃”の目印としての役割があります。
SYMPTOMS
胃底腺ポリープの症状
胃底腺ポリープは通常、症状を引き起こすことは少ないです。多くの患者は、定期的な健康診断や胃カメラによる検査で偶然に発見されます。症状が現れることはまれですが、以下のような場合には注意が必要です。
胃の不快感
ポリープが大きくなることで、胃の違和感や食後の腹部膨満感を感じることがあります。
消化不良
まれに食事をした後に胃の痛みやもたれ感が生じることもあります。
出血
ポリープが大きくなると出血の可能性がわずかに高くなる場合があります。
これらの症状が見られる場合は、医師による評価が必要です。
CAUSE
胃底腺ポリープの原因
胃底腺ポリープは、胃粘膜の異常な増殖により発生しますが、正確な原因は明確に解明されていません。ただし、いくつかの因子が関与していると考えられています。
1. ピロリ菌感染
一般的にピロリ菌に感染していない胃粘膜に胃底腺ポリープは発生しますが、ピロリ菌の感染しているまたは除菌後でも発生することがあります。
2. 胃酸の影響
胃酸が長期間過剰に分泌されることがポリープ形成の一因となることがあります。
3. 遺伝的要因
一部の患者では、遺伝的な要因が関与している可能性が示唆されています。特に家族性ポリポーシス(FAP)の患者さんでは胃の表面がポリープで覆われるほどの胃底腺ポリープが発生することもあります。
4. 薬剤の使用
特にプロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期使用が胃底腺ポリープのリスクを高めることが知られています。PPIは胃酸分泌を抑える薬ですが、長期間使用することによりポリープの発生が増加することがあります。
TREATMENT
胃底腺ポリープの治療法
胃底腺ポリープの治療は、通常、ポリープの大きさや症状の有無、発見時の状況に応じて決定されます。治療法は以下の通りです。
1. 経過観察
無症状で小さなポリープの場合、特別な治療は必要ありません。
2. 内視鏡的切除
非常に稀ですがポリープが大きくなったり、出血が発生した場合、または悪性の可能性が疑われる場合には、内視鏡を使った切除が検討されます。
胃底腺ポリープは良性の疾患であることが多いですが、患者さんからしたら胃のポリープで驚かれることが多い所見になります。不明点があれば消化器内視鏡の専門医に相談することを推奨します。