GASTROSCOPY
胃カメラ検査
ABOUT
胃カメラ検査とは
胃内視鏡検査(胃カメラ検査)とは口または鼻から細いスコープを挿入し胃や食道、十二指腸を内部から観察する検査です。胃潰瘍や胃炎、食道炎や十二指腸潰瘍のほか、食道がんや胃がんを発見することが可能です。さらにヘリコバクター・ピロリ菌の感染を確認することもできるので、ピロリ菌の除菌治療前に必須の検査となっています。また、病変があり、悪性の可能性がある場合は内視鏡の先端から生検鉗子という処置具で直接組織を採取し、精密検査(病理検査)をすることが可能です。
REASON
胃カメラ検査を受ける理由
なぜ胃カメラ検査を受けた方がいいのでしょうか?それは胃がんのリスク因子(発生要因)がはっきりしているからです。胃がんの95%以上はヘリコバクター・ピロリ菌の感染が原因です。ピロリ菌が胃粘膜に感染することで、胃粘膜が炎症で萎縮する萎縮性胃炎(慢性胃炎)となり、胃がんの発生母地(胃がんの原因)になります。この萎縮性胃炎を早期に発見し、その後のピロリ菌除菌治療に繋げることが胃がんのリスクを把握し、そして日本から胃がんを減らすことにつながります。
胃がんはかつてがんによる死亡原因の圧倒的第1位でした。現在の死亡率(年齢調整)は肺がん、大腸がんに次ぐ第3位です。胃がんが減少した原因ははっきりしており、ピロリ菌の感染者が減少しているためです。現在のピロリ菌の感染している方が多い年代は70歳~80歳以上の方が中心であり、新しく見つかる胃がんもこの年代の方が中心です。しかし、減少傾向とはいえ、胃がんはまだまだがん死亡の上位3疾患に入るため、年代を問わず胃カメラによるリスク評価は必要です。
現在早期の胃がんの治療は内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が主流です。このESDは特に日本が世界のトップランナーとして発展させ、海外の施設でも徐々に普及している治療法です。このESDは開腹手術(外科手術)とは違い、内視鏡(胃カメラ)のみで胃の表面の胃がんを除去する治療であり、ほぼ体に侵襲(負担)のない治療法です。胃がんが見つかっても世界最高の内視鏡医のいる日本では、早期の胃がんであれば胃カメラのみで治療が完結する時代になっています。そのため胃がんを早期発見し早期治療することで、(お腹を切る)手術を受けることなく、ほとんどの患者さんが治療完了後も後遺症などの負担がなく生活することが可能になります。このような理由からピロリ菌の感染や除菌歴のある方は特に定期的に胃カメラによる胃がん検診が強く推奨されます。
近年は内視鏡機器の発展もあり、カメラはより細く、そしてより高解像度の画質による検査が可能になりました。さらに鎮静剤を使用することでほぼ負担のない胃カメラを受けることができます。自分の胃がんのリスク状態を把握し、リスクのある方は定期的な胃カメラで胃がんを早期発見する。胃がんで苦しむ人をゼロにするためには胃カメラは必須の検査です。
TIMING
胃カメラ検査を受けるタイミング
胃カメラを受けた方がいい方はどのような方でしょうか?まず40歳以上で胃カメラの経験がない方は受けた方がいいです。市町村によっては40歳から胃カメラでの胃がん検診を行っております。またピロリ菌の感染、除菌歴のある方は毎年の胃カメラによる胃がん検診が推奨されます。
また胃もたれなどの症状や胸焼け感、食べ物が詰まる感じなど、腹部の症状がある場合も胃カメラを受けるようにしてください。
GASTROSCOPY
当院の胃カメラ検査
当院では負担が少なく、そして高い精度の内視鏡を提供するため、新型の設備の導入を積極的に行っております。そして鎮静剤を使用することで、体への負担を可能な限り低減させ、検査終了後に「今回の胃カメラは大丈夫だった」と思っていただける内視鏡検査を提供いたします。今までの胃カメラでトラウマになっている方も、一度当院にてご相談ください。複数の鎮静剤から患者さんごとに最適な鎮静剤を選び、安全で苦痛のない胃カメラを受けていただけます。
経口胃内視鏡(口から胃カメラ)
当院で経口内 視鏡で使用しているスコープは経鼻内視鏡と同じ細径カメラです。口からの内視鏡は”辛い”イメージがあるかもしれませんが、経鼻内視鏡より時間を短縮した検査が可能です。また嘔吐反射は経鼻内視鏡より起きやすくなりますが、何より検査後の鼻痛や鼻出血は起こりません。さらに当院では鎮静剤と併用することで、負担の少ない経口内視鏡が提供可能です。
経鼻胃内視鏡(鼻から胃カメラ)
鼻からスコープを挿入する胃内視鏡検査です。最大のメリットは舌根を押さえることがないため、嘔吐反射が起こりにくいことです。一方、鼻腔という非常に狭い空間にスコープを挿入するため、検査中や検査後に鼻出血が起き、鼻が痛くなることがあります。また鼻炎などの影響で鼻腔が狭くなり、検査自体の実施が難しいことがあります。その際は経口内視鏡に切り替えて検査をすることになります。経鼻胃内視鏡の場合は原則鎮静剤を使用せず施行します。
FEATURES
当院の胃カメラ検査の特徴
1.新型の内視鏡スコープと内視鏡システム
当院では最新型(2024年時点)の内視鏡システムを採用し、可能な限り細いスコープで、より綺麗な画像が描出することが可能になりました。
2.次世代内視鏡室 ブルーライトを採用
より良い内視鏡システムや高い内視鏡技術だけでなく、当院ではできるだけ内視鏡の質を上げる環境を整備しています。その一つが内視鏡室のブルーライトの採用です。大腸や 胃の内視鏡は「赤」系統の画像として描出されますが、その視認効果を高める効果(補色効果)がある色が「青」です。さらに内視鏡を実施する医師の眼精疲労の軽減や、患者さんの鎮静効果があります。
3.鎮静剤を使用した負担の少ない胃カメラ
当院では原則鎮静剤を使用した胃カメラを実施しております。特に嘔吐反射(喉がオェッとする反射)は丁寧な内視鏡操作でも起こります。細い内視鏡スコープと丁寧な操作に加えて鎮静剤を使用することで、可能な限り負担の少ない胃カメラを提供いたします。当院 では複数の鎮静剤から適切な鎮静剤を選び使用いたします。
4.土曜日、日曜日、当日希望の胃カメラにも対応
平日忙しい方のために土曜日、日曜日も外来と内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)の予約も受け付けます。仕事を休むことのできない働き盛りの年齢の方にも胃がんはよく発生しますので、是非ご活用ください。また平日の診療時間内に来院し、胃カメラの検査枠に余裕がある場合は、受診同日の胃カメラも受けられる場合があります。ご希望の場合は事前に電話で確認の上、朝食を摂らずに来院してください。
5.胃カメラ・大腸カメラが同時に受けられます
当院では胃カメラと大腸カメラを同日に受けることが可能です。大腸カメラの下剤の内服後、前処置が完了した段階で胃カメラ・大腸カメラの検査を行います。
6.プライバシーに配慮した環境
当院の内視鏡室は完全個室になっており、他の患者さんの目を気にせず検査を受けることが可能です。検査室内の音漏れなどの心配もありません。
7.経験豊富な内視鏡のプロによる胃カメラ
当院で胃カメラを担当する医師は皆胃カメラのプロである消化器内視鏡専門医です。また当院は総合病院のような教育施設ではないため、他の医師(研修医など)に指導しながら検査をすることもありません。複数の内視鏡専門医による診療体制を構築しており、検査毎に検査の質が異なることはありませんので、安心して検査を受けてください。
FLOW
胃カメラ検査の流れ
01
検査前日
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21時までに夕食はお済ませください。
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水分の摂取は可能です。
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可能な限りアルコールは控えてください。検査の鎮静剤の効果に影響を 与える可能性があります。
02
検査当日(検査前)
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引き続き絶食でお願いします。来院1時間前からは水のみ可能です。
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検査予約時間の30分前までに来院ください。
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胃カメラ前に胃内の泡を消す消泡剤を含んだ水を飲んでいただきます。
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鎮静剤を使用する場合は点滴路を確保させていただきます。
03
検査当日(検査中)
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内視鏡室に移動し、ベッドの上で姿勢を整え胃カメラが始まります。
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点滴から鎮静剤を注射し、ウトウトまたは寝た状態で検査を受けていただきます。
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検査時間は5~10分程度です。組織検査を実施した場合は延長する場合があります。
04
検査当日(検査後)
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鎮静剤を使用した胃カメラを受けた後は30〜60分ストレッチャーの上で休んでいただきます。
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鎮静剤を使用しない場合、安静にする必要はありません。そのまま結果説明までお待ちください。
05
検査当日(結果説明)
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鎮静剤の効果が切れた段階で医師が胃カメラの結果の説明を行います。
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スタッフより検査後の注意事項を説明します。
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組織検査を実施した場合は、2週間後以降に外来予約を取得していただき、その場で説明いたします。
FINDINGS
胃カメラで異変が見つかったら
病変の疑いがあり、組織を採取した場合は病理検査に検体を提出して病理専門医に評価 を依頼します。通常2週間程お時間をいただきますので、外来予約をしていただき、改めて結果を説明いたします。万一入院が必要な病変が見つかった際には、提携している医療機関へ紹介状を作成いたしますのでご安心ください。
COST
胃カメラ検査の費用
胃内視鏡 (観察のみ)
6,000円 前後
胃内視鏡+病理組織検査
9,000〜15,000円 前後
SYMPTOMS
胃カメラ検査に関連する症状
胃が痛む・不快感がある
胸やけがする
吐き 気
健診でピロリ菌の感染を指摘された
食欲不振
貧血が指摘された
血便・黒い便が出る
食事がつかえる
体重減少
40歳以上で胃がん検査をしていない
DISEASE
胃カメラ検査に関連する疾患
食道がん
バレット食道
胃ポリープ
ヘリコバクター・ピロリ菌
濾胞性リンパ腫
逆流性食道炎
胃がん
萎縮性胃炎
MALTリンパ腫
好酸球性食道炎
胃潰瘍
アニサキス
十二指腸潰瘍
FAQ
胃カメラに関するよくある質問
Q. 胃カメラは保険診療で受けることはできますか?
A.
上記自覚症状がある方やABC健診などでピロリ菌の感染が疑われる場合は保険診療になります。またピロリ菌の感染歴や除菌歴がある方は胃がんリスクの点から保険診療になります。自覚症状がなく、ピロリ菌や胃がんなどの存在が疑われないと担当医が判断した場合は原則自費診療になります。
Q. 胃カメラで鎮静剤は使った方がいいですか?
A.
当院では鎮静剤を使用した胃カメラを推奨しております。嘔吐反射は設備や技術で完全になくすことは困難であり、不安な方は鎮静剤を使用することで負担の少ない胃カメラを受けることができます。過去に鎮静剤のない胃カメラで大丈夫だった方は、もちろん鎮静剤なしでも大丈夫です。
Q. 鎮静剤を使いたくありませんが、苦しい感じは嫌です。
A.
鎮静剤の使用を希望されない場合は経鼻内視鏡(鼻から胃カメラ)を お勧めします。口からの胃カメラに比べ嘔吐反射が少なくなり、検査の苦しみは少なくなります。一方、鼻腔の痛みや鼻出血が検査後1時間以内は続くことがあります。
Q. 胃カメラは毎年受ける必要がありますか?
A.
ピロリ菌の感染歴や除菌歴がある方は毎年胃カメラを受けることをお勧めします。胃カメラを毎年受ける意味は、胃がんの早期発見にあります。胃がんの危険性が高い方はピロリ菌の感染歴がある方ですので、ピロリ菌の除菌歴があっても毎年胃カメラによる胃がん検診を受けることが望まれます。
Q. 妊娠中に胃カメラを受けることはできますか?
A.
一般的に妊娠中の胃カメラはお勧めできません。よほどの必要性がない限りは出産後に胃カメラのスケジュールを変更することをお勧めします。産婦人科の主治医にご相談ください。
Q. 脳梗塞または心筋梗塞治療後で、血をサラサラにする薬を飲んでいます。胃カメラはできますか?
A.
可能です。しかし、組織検査が必要な場合小さい把持鉗子を使用する場合があるため、服薬内容を事前に担当医にお知らせください。
Q.胃がん検診は胃カメラとバリウム検査どちらがいいですか?
A.
胃カメラを推奨します。バリウム検査で異常があった場合は胃カメラで精密検査を行います。そのため最初から胃カメラで受ける方が効率がよく、精度も高いです。また胃カメラの検査時間は5~10分とバリウム検査と比較しても短時間で検査が完了します。バリウムと違い被曝のリスクがないことも胃カメラの特徴です。
Q. 常用薬がありますが、飲んでもいいですか?
A.
高血圧などの常用薬は原則的に内服して受診していただきますが、糖尿病などの治療薬はその都度説明が必要です。胃カメラの予約の際にご相談ください。
Q. 車椅子の人の胃カメラを実施していますか?
A.
大変申し訳ありませんが、スペースや人員確保などの問題で当院では対応しておりません。安全や人員などの観点から病院での検査をお勧めします。
Q. 他院で胃カメラを受けましたが、ピロリ菌の除菌をお願いできますか?
A.
過去6ヶ月以内に胃カメラを受けている場合は可能です。他院で受けた胃カメラの所見をご持参頂き、萎縮性胃炎(慢性胃炎)の所見を確認できましたら保険診療でピロリ菌の除菌治療が可能となります。その場合改めて当院で胃カメラを受ける必要はありません。
Q. 13時以降の胃カメラを予約しましたが、食事やお薬はどうしたらいいですか?
A.
胃カメラ当日の午前7時までに食事はお済ませください。内容は固形物を避け、液体や半固形の食材にしてください。朝の内服分の常用薬は通常通り内服して下さい。昼以降の内服に関しては胃カメラ予約時にご相談ください。また糖尿病の治療中の方は絶食時間が長くなる可能性があるため、可能な限り午前中の検査枠で胃カメラを受けて下さい。
Q. 胃カメラを受ける際の服装の注意点はありますか?
A.
胃に空気を入れて観察するため、お腹周りがきつくならない服装をお勧めします。また鎮静剤をご希望の場合は点滴路を腕に確保し、血圧を測定する必要があるため、腕が露出しやすい服装で来院ください。
Q. 胃カメラを受けた後どれくらいで帰宅できますか?
A.
鎮静剤を使用しない場合は検査後30~60分で結果を説明いたします。その後帰宅可能です。鎮静剤を使用した場合は30~60分ベッド上で安静にしていただきますので、通常は検査後1~2時間で帰宅可能になります。
Q. 胃カメラを受けた後に車やバイクの運転は可能ですか?
A.
鎮静剤を使用しなかった場合は特に制限はありません。鎮静剤を使用した場合は胃カメラ同日の運転(車、バイク、自転車)は終日できません。公共交通機関で来院してください。車やバイク、自転車で来院された場合は鎮静剤の使用をお断りさせていただいております。