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どこで胃カメラや大腸カメラを受けたらいいですか?:評判な施設を探す目安とは

更新日:1月23日


胃カメラ検査とは


胃カメラ検査は文字の通り”胃”をメインに観察する検査です。胃カメラは100年以上の歴史があり、日本では戦後すぐにオリンパス社が開発をスタートさせました。特にここ20年の内視鏡機器の進化は目覚ましく、画像は4Kディスプレイで綺麗に映し出され、スコープは鉛筆より細くなりました。そして鎮静剤を使用した胃カメラも環境が整備され、内視鏡クリニックでも鎮静剤を使用した胃カメラを気軽に受けることができるようになりました。ピロリ菌に感染している方が減少している現状でも、胃がんはまだまだ日本人の中では多い病気です(減少傾向ではありますが)。しっかりと定期的な胃カメラを受けることで、自分の胃がんの危険性を評価し、胃がんの早期発見早期治療ができるようにすることが大切です。


 

大腸カメラ検査とは


大腸カメラ検査とはお尻からスコープを挿入し、大腸を全て観察し、大腸がんや大腸ポリープを見つけるために実施する検査です。大腸カメラを受ける際に不安に感じるポイントは①大量の下剤、②検査の痛み、③大腸ポリープをその場で取ってくれるか、だと思います。まず下剤については現在様々なタイプの下剤が選択可能です。通常の2L飲む下剤から下剤の量を少なくし、水を併用する方法、または錠剤を50錠飲む方法などがあります。

洗浄力や味が選択する際の判断要素になりますが、基本手的にどの前処置も水を含め1.5~2L程度は飲む必要があります。検査中の痛みは個人差が大きく、特に腹部の手術歴のある方、小柄で痩せている女性、帝王切開の経験がある方などは痛みを強く感じる可能性があります。

大腸カメラの痛みは術者である医者の技術の影響を一部受けるため、まずは医師の経歴や経験を確認することをお勧めします。その上で鎮静剤・鎮痛剤を使用しての大腸カメラを受けると負担が軽減されます。さらに大腸ポリープを見つけた場合の対応も重要なポイントです。

医療機関の中には大腸カメラの同日には大腸ポリープを切除せず、後日改めて切除する方針のところもあります。しかし、これでは完全に二度手間であり、患者さんからしても同じ下剤を別日に2度飲むことになるので負担も大きくなります。可能な限り同日に切除ができる医療機関での切除を推奨します。



 

内視鏡検査を受ける病院を選ぶポイント


1. クリニックか総合病院

 

私自身が患者さんの立場で胃カメラまたは大腸カメラを受けるとすると、間違いなく内視鏡を専門とするクリニックで受けます。私が重視するポイントとしては誰がするのか、またどれくらい待つのか、です。


(1)教育病院であるが故にレジデント(研修医)に検査の機会を提供する必要がある


広島市内には設備、人員体制が充実した総合病院が複数あります。どこも非常に充実した診療を実施しています。これらの総合病院に共通することは何かというと、全て教育病院である点です。これらの総合病院で通常の胃カメラ・大腸カメラを受ける場合、多くの場合はレジデントと呼ばれる専門研修医が消化器内科の内視鏡の修練のため指導医の立会の元で検査を実施することが多いです。私自身も聖路加国際病院での後期レジデント時代は多くの検査を担当させていただきましたし、このシステムは医師の育成上とても大切なことです。一方患者さんの立場からすると上手な専門医の医師が行う胃カメラ・大腸カメラを望まれると思います。総合病院の指導医は自分の担当する検査をしつつ、レジデントの指導を行うため、専門医自身が行う内視鏡検査数には制限があります。またどの医師(レジデントなのか専門医なのか)が担当するかも多くの場合指名できません。

一方、内視鏡の腕に自信がある専門医がもっと胃カメラ・大腸カメラを自分自身で行いと開業するのが内視鏡クリニックです。つまり教育の義務のない専門医が、最初から担当することで質の高い検査を受けることが期待できます。院長の他にも多くの専門医が在籍している場合は指名ができないことがありますが、原則として全員が専門医ですので、質の担保は問題ありません。


(2)どこが短い?待ち時間について


一般的に総合病院はかなり待ちます。まずは検査予約を取得するための外来で待ち、そこから検査まで月単位の待ち時間も通常です。それは大規模な総合病院は高度な医療の提供が大きな役割であり、通常の胃カメラや大腸カメラの優先度は高くないため、検査の枠が非常に限られているためです。私も聖路加国際病院や倉敷中央病院に勤務時は検査や外来だけでなく、内視鏡手術、緊急処置、病棟業務など、さまざまな業務があり多忙な毎日を過ごしていました。そのため通常の胃カメラ・大腸カメラを行う人員が足りていない状況が原因です。

一方当院のような内視鏡専門のクリニックは胃カメラ・大腸カメラを多くの方に、できるだけご希望に沿う日程で、また安心して受けていただく環境を提供するために開設されています。そのため診察や検査は予約制であることが多く、総合病院に比べたら待ち時間も断然短いです。もちろん鎮静剤を使用した検査も可能であることが多く、胃カメラ・大腸カメラ、大腸ポリープ切除であれば内視鏡専門のクリニックを強く推奨します。


内視鏡専門医の資格を確認する

 

医師の質の指標として専門医の有無は重要な項目ですが、一般的には専門医資格の有無で単純に医師の評価はできません。内科専門医がなくても、内科診療をされている優秀な医師もおります。しかし、内視鏡分野(胃カメラ・大腸カメラ)に関しては消化器内視鏡専門医の資格は重要な指標になります。内視鏡専門医としてしっかりと教育を受けたことがないと、カメラの腕だけでなく“眼”が鍛えられないからです。実際胃カメラができても、早期の胃がんをスルーしてしまっては本末転倒です。胃カメラは手段であり、目的ではありません。しっかりとした診断する“眼”を持っている指標として消化器内視鏡専門医は重要な指標となる資格です。

大腸カメラにおいては消化器内視鏡専門医の研修を受けていない場合、技術的に大腸カメラができても、大腸ポリープの切除ができない場合もあります。専門医資格は胃カメラ・大腸カメラいずれにおいても確認することが望まれます。



医療機関の設備と技術

 

近年は内視鏡設備の進化は目覚ましく、さまざまな機能が内視鏡システムに搭載されています。特にオリンパス社製スコープではNBI、富士フィルム社製スコープではLCIなど、病変の発見に威力発揮する機能は最低限搭載されているべきです。2020年以降に設備を導入、または更新した医療機関であればほぼ間違いなくそれらの機能は搭載されていると思います。

技術に関しては重要な点でありますが、患者さん目線では特に評価が難しいと思われます。一つの指標としては”治療内視鏡の経験”があるかどうかが参考になります。治療内視鏡とは早期癌の切除や結石の除去など高い技術の必要な内視鏡を使用した手術のことを指します。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)など基本的な内視鏡の技術がないとできない処置の経験があれば技術に関しては最低限の担保があると思われます。中には1回程度の経験を誇張して記載している場合もあるので注意が必要ですが、専門医資格や勤務歴なども合わせて確認することを推奨いたします。


検査方法の選択肢

 

1.鎮静剤は使用する?使用しない?


胃カメラを受ける際に“オゥエ”と強い嘔吐反射を経験した方は多いと思います。この現象は“反射”であり、人により強い弱いがありますが基本的に防ぐことはできません。反射の辛さを低減させるためには鎮静剤の使用を推奨いたします。もちろん丁寧な内視鏡操作が前提であることは当然ですが。また初めての胃カメラで鎮静剤を使用せずどのような辛さか経験してみることも一つの選択肢です。その場合でも細いカメラ(鼻から用)であれば少しでも負担は軽減されるでしょう。

大腸カメラの場合は腹部の手術の既往(帝王切開も含)や細い体型の方は検査中に痛みが起きやすいとされています。一方、多くの場合は多少の痛みや腹部の張りは感じるかもしれませんが、許容できる範囲の症状で大腸カメラは完遂できます。しかし、大腸カメラは受けると決心するまで非常に勇気が必要です。鎮静剤を使用することが大腸カメラを受ける後押しになります。遠慮せずに使用を希望してください。


2.鼻から?口から?


胃カメラは原則口からですが、口からカメラを挿入すると舌根(ベロの奥)を刺激し、嘔吐反射が誘発されます。それを避ける方法の一つが鼻からの胃カメラです。鼻からカメラを挿入すると舌根が刺激されず、嘔吐反射が軽減されます。しかし、狭い鼻腔をカメラが通る鼻の痛みや鼻血が起こりやすく、人によってはこちらの方が辛いと思う方もいらっしゃいます。判断に悩む場合は口から試しにチェレンジすることをご検討ください。もちろん口からの場合は鎮静剤が使用可能です。基本的に鼻からの胃カメラは鎮静剤を使用せずに実施することがほとんどです。


3.大腸カメラの下剤は自宅で?クリニックで?


自宅で大腸カメラの下剤を飲めるメリットは安心できる自宅のトイレが使える点です。ご自宅からクリニックが近い方や家族の送迎が可能な場合など、安心できる移動手段がある場合は自宅で飲むことのメリットが大きいかと思われます。一方で移動に時間がかかる場合など、移動中の突然の便意のリスクもあり注意が必要です。院内で下剤が飲むメリットは病院スタッフに便の状態の確認が容易であることや、移動途中の便意などのリスクがないことが大きなメリットです。一方デメリットはトイレが共有で使用したいときに使用できないリスクもあります。

当院では完全個室型のトイレ一体型の部屋も用意しております。さらに半個室の場合でも2人に1トイレ以上のトイレを完備しております。当クリニックで大腸カメラを受ける場合は院内で下剤を飲むことを推奨いたします。


4.外来で日帰り大腸ポリープ切除?入院が必要?


現在10mmまでの大腸ポリープは電気の通電を必要としないポリープ切除が主流です。そのため切除後の出血のリスクがかなり低減されているため入院の必要性はありません。過去に入院が必要でスケジュールが大変だった、など嫌な思い出がある方も、安心して日帰りで大腸ポリープ切除が受けることができます。しかし、20mmを超えるポリープは入院での切除が必要になる場合があり、担当医に相談することをお勧めします。


検査件数と実績

 

1. 件数:個人として5,000件以上の経験は最低限


胃カメラ・大腸カメラ・ポリープ切除が1人でできるレベル(独り立ち)まで到達するまで約1,000件の内視鏡の経験が必要です。そしてさらに高いレベルに内視鏡ができるようになるには約5,000件の内視鏡経験は目安になります。しかし、検診の胃カメラを5,000件と治療など複雑な内視鏡を1,000件では遥かに内視鏡経験値の密度が違い、後者の方が圧倒的に技術レベルが高いと言えます。件数だけでなく、経歴なども踏まえて考える必要があります。


2. Adenoma Detection Rate (ADR):目安40%以上


大腸ポリープは切除が推奨される腺腫(adenoma)と呼ばれるポリープを、大腸カメラ全実施数のうちどれくらいの割合で切除しているかの指標です。つまり大腸カメラを受けた人の内、大腸ポリープ(腺腫)を切除した方の割合です。このADRの指標は検査の質にも影響し、より多くの腺腫を見つけ切除している場合は検査の質が高いとされています。目標とされる数値は便潜血検査陽性の方を主に対象とした場合40%前後とされています。50~60%であればかなり力を入れて腺腫を見つけるようた体制になっていると思われます。

一方、ポリープ切除を受けた方の割合はまた別の指標です。ポリープの種類には腺腫や腺腫に類似した大腸ポリープ以外に切除の必要性のない過形成ポリープなどがあります。ポリープ切除率が異常に高い80~90%などを謳っている場合は、過剰な治療(切除の必要のないポリープ切除)が行われている可能性があるため、注意が必要です。


検査前後のサポート体制

 

サポート体制として大腸カメラ前の下剤の内服する個室スペースがあるか、独立した内視鏡室があるかなど、プライベートに配慮した構造であるかも大事なポイントです。鎮静剤を使用した検査のあとはリカバリースペースで休む必要があり、リカバリー室の設備が完備されているかどうかも大切な点です。血液酸素飽和度が測定されるモニターがあるか、看護師は常時患者さんを観察しているかなどが重要になります。また大腸ポリープが切除した後に出血のリスクがあるため、そのサポート体制があるかなども確認することが望まれます。当院は月曜日から日曜日まで毎日開院し、基本的には日中は院内の医師が対応し、その他の時間は当番の医師が電話対応可能な状態を整備しております。


患者の口コミや評判

 

内視鏡検査を受ける際には、患者の口コミや評判が非常に役立ちます。口コミを通じて、医師やスタッフの対応、検査の待ち時間、設備の清潔さなどを確認することができます。特に内視鏡検査はデリケートな検査であるため、信頼できる医療機関の選定が重要です。評判の良い医院は、患者の要望に応じた柔軟な対応や丁寧な説明がなされることが多く、検査に対する不安を軽減してくれます。ただし、過度に高評価だけでなく、口コミ内容をよく確認することが大切です。


胃カメラ検査で見つかる代表的な病気

 
  • 早期胃がん: 症状が少ないため、胃カメラでの検査で初めて発見されることが多いです。早期発見により、内視鏡による治療で完治が期待できます。

  • 進行胃がん: 初期胃がんを放置すると、進行して胃壁の深部に達し、手術や化学療法が必要になります。

  • スキルス胃がん: 比較的進行が速く、手術が必要になることが多いタイプのがんです。

  • 胃潰瘍: 胃粘膜が傷ついている状態で、ピロリ菌感染などが原因です。治療せず放置すると、胃がんのリスクが高まります。

  • 萎縮性胃炎: ピロリ菌感染などによる慢性の炎症が続き、胃粘膜が萎縮する病気です。長期的には胃がんのリスクが高まります。


大腸カメラ検査で見つかる代表的な病気

 
  • 大腸ポリープ: 良性の増殖物で、大腸がんの前兆となることもあります。大小に関わらず、定期的な検査と必要に応じた切除でがん化を防げます。

  • 大腸がん: 早期では症状が少なく、大腸カメラでの検査で発見されることが多いです。早期発見・治療が鍵となります。

  • 潰瘍性大腸炎: 炎症性腸疾患の一種で、大腸内に持続的な炎症が生じます。

  • クローン病: 消化管のどの部位にも炎症が生じる可能性があり、長期的な管理が必要です。

  • 大腸憩室: 大腸壁の一部が外側に向かって袋状に突出した状態で、特に炎症が起こると憩室炎となります。


 

当院の内視鏡検査について


当院は今まで述べてきた内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)を受ける上での重要なポイントを全て整備しております。検査を実施するのはもちろん全て内視鏡のプロである消化器内視鏡専門医です。特に院長はカナダに臨床留学し、治療内視鏡の最前線で内視鏡の腕を磨いてきました。また設備と空間は院長がこだわった自慢できるものです。設備はオリンパス社製の最新型のEVIS-X1のシステムを導入しております。また内視鏡室は3室完備し、全てにブルーライトを搭載した先進的な内視鏡室になっております。リカバリーエリアにもベッドを8台収容可能です。もちろん、血中酸素飽和度のモニターも完備しております。

大腸カメラの下剤の内服する専用のフロアも設けております。テレビとトイレを完備した完全個室型の部屋から半個室の部屋まで用意し、またトイレもフロアに7つあり安心できる環境を整えております。もちろんWiFi完備です。

当院は設備から空間、そして人(スタッフ)まで徹底的にこだわった内視鏡クリニックとなっております。安心して内視鏡を受けることができますので、胃カメラ・大腸カメラのことについてはいつでも予約、お問い合わせください。

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標榜診療科

内科、内視鏡内科、消化器内科、胃腸内科、肝臓内科

住所

〒 730-0013 広島県 広島市中区八丁堀11-19 坪井第二ビル 3階

診療時間

月~金  9:00~18:00 / 土曜・日曜  9:00~15:00

休診日

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